心地よくインターネットから情報を得たい

1. 背景

 引っ越しをする機会があり、テレビや新聞がない。インターネットはつい昨日に開通したばかりだ。無意識に摂取していた情報源が失われるとその重要性やまた不要性が浮き彫りになる。さほどある機会でもないからこそ、普段に自分がどのような方法で、どんな情報を得ているのかをまとめてみる。こういうことを考えると、自分がどのような方法で「心地良く」多様な情報を得たいと考えているのかが浮き彫りになって興味深い。

 心地よさはとても重要で、例えば高速なインターネットはそれだけでウェブブラウジングを大変心地よくする。遅くてはきれいな写真や動画がなかなか表示されず、しまいにはテキストサイトしか見なくなってしまう。だからこそ重要なのは、何らかの「心地よい方法」で求める情報が得られる体験なのだろう。

 少しばかり心地よさについて考えてみる。例えば今はradiko.jpインターネットラジオが聴けるけれどもやっぱりブラウザやアプリを立ち上げるのはめんどくさいし、ラジオならボタンを押すだけでいいなあと思ったりする。それブラウザでできるよ、それあいほんで出来るよ、は確かにそうなのだけれども、生活の中に溶け込むのはFMしか流れない機械としてのラジオだったりする。テレビだってパソコンにチューナーを挿せば地デジが見れる。でもテレビはあのテレビの画面をソファの前で見たいと思ってしまうし、その逆にテレビでキーボードを操作してyoutubeflickrで動画や写真を見たいという欲求は生まれてこない。

 デバイスとコンテンツは強く結合して我々の体験に埋め込まれているのだろう。テレビにはテレビで見たいコンテンツがあって、パソコンではパソコンで見たいコンテンツがある。もちろんそれは時代によって劇的に変わっていく。多くの家電がインターネットに接続される世の中はそう遠くはない。でもインターネットに接続された炊飯器にきれいな液晶がついたところで、誰もメールを書きたいとは思わない。炊ける前に味噌汁を作ったほうがよい。当たり前だけれどその両者の関係性を考えることが、自分にとっての心地よい情報の集め方に繋がるのだと思う。

 以下に今のことを予備録(といっても些か長いが)としてまとめる。

2. 生活編

2.1. はてなブックマーク

 行きたいお店とか、研究に関する情報や、奨学金の締め切りとか、休講情報とか、ほしい本などありとあらゆるURLをあらゆるデバイスからブックマークしてる。今は8,000サイトくらい。検索も割りと速いしsafarichromeにはいってるブックマークは10個もない。一応タグも付けられたりする。あの本、あのお店どこだっけ、、という要求に対して曖昧な記憶で検索してもだいたいたどり着けるから安心感があります。

 はてブはヘタするとtwitterより見てる時間長いんですが、その原因はHBFav (http://hbfav.bloghackers.net/)という最高のiOSアプリがあるからです。捗る。お気に入りに入れた人たちのブクマを見たりしている分には楽しい。ただ、知りたくもないインターネット上で炎上したとかどうでもいいことが飛んでくると、うんざりな気分になることもなくはない。

2.2. ニュース

 ディスプレイにNHKニュースをパソコン経由で流している。http://www3.nhk.or.jp/news/index.html?page=movが連続再生に対応しているので普通に7時のニュースを好きな時に見れてよい。でもやっぱりテレビほしい。パソコンに繋ぐのめんどくさいし。AppleTVを買ってスライドショーとかしたい。

 新聞は取っても毎日ちゃんと読む自信がないし、ケータイで読んでみたいから電子版の新聞アプリはいいなと思う。試してみたい。

2.3. Tumblr

 橋本愛ちゃんに会える。新井ひとみちゃんがそこで待っているじゃん。

3. 研究編

3.1. 出版された新着の論文をメール通知する

 医学、生物学系はアメリカにある国立生物工学情報センター (NCBI)がPubmed (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed)という巨大な論文リポジトリを提供している。大抵の論文は出版されるとここに登録される。例えば、Stem Cellが研究分野だとすると、毎日のように新しい知見が論文として発表されるので見逃してしまうし、毎日チェックするのは無理がある。

 そこで、NCBIのアカウント (MyNCBI)を作って、Stem Cellなど興味のあるキーワードを登録すると、好きな間隔で新着の論文をメールでアラートしてくれる。今、10個くらいのキーワードを登録していて、毎日新着の論文が来るから、タイトルを見て興味のある論文にアクセスする。Google scalarでもアラートを飛ばすことは出来るから別にそれでもよいと思う。機械にやらせれば漏れがないことがポイント。

2.2. RSSで好きな論文誌の目次を読む

 科学の研究分野は階層構造をなしていて、細胞の研究の中にDNAがあってRNAもあって、タンパクもあって、タンパクの中には病気に関わるタンパクだけの分野があって、その中にも、、、という感じで、研究テーマとなればその最下層に近い。でももう少し離れた上の階層でどんなことが問題になっていて、どんな発見があって、トレンドは何で、という分野の雰囲気のようなものを感じることも大事なのかなと思ったりしている。そういうのは、論文のタイトルになるような特定のキーワードによるアラートは不向き。もっとふわっとしたテーマというより興味分野に近い。こういった要求には、週間や月間で発売される論文誌の目次をRSSで眺めている。4つくらいの好きな論文誌のタイトルがRSSに流れてくる。あまり読めてないからあれですが、、。

 RSSは、Feedlyというアプリ?ウェブサービスで読んでる。Google readerが死んで移行したというだけで別に意味はないです。後に読みたいものにstarを付けて、印刷したり読んだり放置したりしている。

2.3. Twitterはてブから隠れた情報が飛んでくる

 分野が情報科学寄りということもあって、twitterにもわりかし有益な情報(多くが何かのurlのリンク)が流れてくることがある。使っているソフトウェアの開発者などをフォローしておくと、質問できたりbug fixされたよ、とかそういうことをキャッチアップできる。ほとんどがノイズだけど。

 はてなブックマークフォローしている人の半分くらいはエンジニア、もう半分が分野の近い研究者の方なので、新しい解析アルゴリズムの解説記事や統計のいい資料や論文のブクマが流れてくる。人のブクマに感謝の意を込めてスターをつけたりしている。

2.4. Githubでソフトウェア開発のトレンドを知る

 Githubオープンソース・ソフトウェアの大きなリポジトリで、いろんなソフトウェアが沢山githubで開発されている。興味のあるプロダクトをwatchしたり、研究に使えそうなソフトウェアがないかなーとGithub内のトレンドをhttps://github.com/trendingで見たりしている。研究分野に関連した数十人くらいの開発者をフォローして、その人達がstarをつけたプロダクトが毎朝メールで通知されるので、時間があるときにコードを読みに行ったりしている。よさそうなOSSプロダクトを発見できる楽しみがある。

問題点

 研究編で紹介したものはわりかし固定されていて、それ以上があまりなく安定して運用することができている。star/flagつけた論文がdropboxに自動で保存されて、みたいなことを考えたり出来るけど、まあそこまでやらなくてもよい。生活編はやっぱりニュースを何とかしたい。お金あんまり掛けないで、快適に世の中を知れる方法を募集します。