インターネットタイム
「文学作品、読んでるとそれだけで教養つきそうだし日本語の勉強にもなりそうでよい」
「今なに読んでるの」
「しぶいね」
「でしょ、文化的な大人になれそうじゃん」
「だけど、ほら前に読んでた恋愛小説なんてただの娯楽に過ぎないでしょ。」
「言われてみれば。」
「ほらー」
「え、島崎なら娯楽にならないの?」
「うーん、話がややこしくなってきたね」
「けっきょく、好きな小説を読んでいるのも映画をみてるのも、インターネットしてるのも同じ時間なはずなのに、インターネットして夜が明けると、ああなんてこんな無駄な時間をってなるの」
「うんうん」
「インターネットって、過ごす時間が過ぎれば過ぎるほど有意義さが時間に反比例していく気がするよね。」
「それでもやっちゃいます」
「さっきも青いページとか開いてたでしょ」
「はい。」
「ちょっと見すぎだよ」
「はい。。」
「インターネットより映画、映画より小説の方が娯楽にひたることへの罪悪感がないよね。」
「小説読んでるわたしってすごい文化的!みたいな。読んでるの綿矢りさなんだけどね。」
「うんうん。小説って、娯楽の時間を正当化してくれる。」
「インターネットはそうはいかないものね」
「青いページとか」
「[便利][これはすごい][あとで読む][ためになる][生活++]」
「はい」
「あーなんか、電車であいほんいじってるひとより、文庫読んでるひとのほうがなんか知的に見えるのに似てる。ほんとはあいほんの青空文庫で遠野物語読んでるかもなのに。」
「ありえるありえる」
「じゃあちょっとインターネット控えてみる?」
「まさか」
「でもねたほうがいいよ朝早いし」
「睡眠は有意義、ですな」
「いいから寝て」